メディカルコラム
手術前の減量はなぜ必要?安全な全身麻酔と術後肺炎を防ぐ理由を隈病院の医師が解説
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Q.手術前に体重を減らすようにいわれましたが、どうしてですか?
A.安全な手術・麻酔を行うためです
全身麻酔をかけると意識がなくなると同時に呼吸が止まり、数分もすれば酸素不足から脳障害が起こるため、麻酔中は気管にチューブを入れて人工呼吸を行ないます。
この時、肥満の方は顎の下や喉の中などに脂肪がたくさん付いていて気管にチューブを入れることが難しくなります。きちんと気管にチューブを入れることができても、腹部の内臓に付いている脂肪の重みのため人工呼吸で肺を充分に膨らませることができず、術後肺炎のもとになってしまいます。
万が一、気管にチューブを入れることができなかった場合は、緊急で気管切開を行いますが、その際も首に脂肪が多いと正確な位置が確認しづらく素早く気管切開できない恐れもあります。そもそも、甲状腺が腫れている方は、緊急の気管切開によって甲状腺を傷つけてしまう危険性があるため、できる限り緊急の気管切開は避けなくてはなりません。
肥満の方は高血圧や糖尿病などいろいろな疾病をお持ちになっていることが多く、これらは術後の経過や回復状況を悪くすることも多々あります。安全な手術・麻酔を行なえるよう手術前にはできる限り適正体重に近づけていただくようお願いします。
(麻酔科医師 仁科 かほる)